「ソーシャル落とし物トラッカー」とは、日経トレンディのヒット予測ランキングにも入った、2017年注目のアイテムです。
落とし物や忘れ物を簡単に探すことができる画期的なツールです。これからますます利用者が増え、実用化されていくことが期待されています。
ソーシャル落とし物トラッカーとは、専用の無線タグを自分の持ち物につけておけば、スマートフォンでそのものの位置をトラッキングできるという便利なシステムです。鍵などなくしてしまいやすいものにつけることで、万一なくしたときにも見つけやすいです。落とし物を追跡してくれるという意味で、「落とし物トラッカー」と命名されています。
ソーシャル落とし物トラッカーは主にタグ状のツールが検討されていますが、このタグから離れると「置き忘れ防止機能」も作用してスマートフォン上で通知してくれるなど便利な仕組みになっています。
ソーシャル落とし物トラッカーのうち、「MAMORIO」は高さ3.5cm×幅19mmとコンパクトなタグを開発しています。さらに薄型のカードタイプも開発中であり、ユーザーのニーズに合わせてタグかカードか選択できるようになる見込みです。
よく小物をなくしてしまう、かばんを置き忘れてしまうなどのトラブルに見舞われる人にとっては救世主のような存在のタグとなることでしょう。
ソーシャル落とし物トラッカーでは、「ソーシャル」というワードが含まれている通り、社会の中でなくした物を見つけることができる仕組みが考えられています。ソーシャル落とし物トラッカーを使うには、まず専用のアプリをスマートフォンにインストールし、アプリ上で物の位置をトラッキングすることになります。
紛失したタグの近くを、同じ専用アプリを使う人が通れば、その位置情報がもとの所有者のところへ通知されるという仕組みを採用しています。
そのため、利用者が増えるほどなくした物の発見率が高くなり、ユーザーにとっては使いやすくなるアプリであるといえます。すでに数万個の発注があるほど反響は大きく、これだけの人がアプリを使うことで、物をなくしたときには見つかりやすくなるでしょう。
はじめのうちは都市部の方がユーザーが多いため物が見つかりやすくなることが予想されます。ソーシャル落とし物トラッカーによって、必要なときには数万人が自分の所持品の位置を探ってくれるようなシステムが実現します。
物とインターネットをつなぐIoT(Internet of Things)がいよいよ生活にも身近で欠かせないものとなりつつあるといえるでしょう。
トラッキング可能な無線タグは自分の所持品につけるだけでなく、子供や高齢者の見守り対策として活用できる可能性があります。
これまでは小型GPSで子供や老人の見守りをすることが可能でしたが、今後は薄型のタグをキーホルダー代わりにかばんや鍵につけることで位置のトラッキングが可能となる可能性があります。
もちろん自分の所持品ではなく人を対象に位置をトラッキングするとなると、倫理的な問題はクリアしなければならないでしょう。ただ、今後はソーシャル落とし物トラッカーによるトラッキングシステムが幅広い場面で応用されることが期待されます。
ソーシャル落とし物トラッカーによって、鍵やカバンなど自分が所有する物をなくしたとき、スムーズに見つけ出せる可能性が高まります。また、将来的にはこうしたトラッキングシステムが軽度認知症の人の見守りにも役立つ可能性もあるでしょう。
IoTの技術により、毎日の暮らしが便利になってきていることが実感できます。