医師は薬を飲まないといわれていますが、単なる不養生によるものではありません。
医師の世界では、理由があって薬を飲むことを避けている人が多いですが、果たしてその理由とは何でしょうか?
今回は医師が患者には薬を処方するのに、自分は飲まない理由をご紹介していきます。
■医師は風邪薬を飲まない?その理由とは
医師の中には風邪をひいたときに薬を飲まない人が多いです。
そもそも風邪を治す薬はなく、風邪薬として売られているものはあくまでも症状を緩和する作用があるのみなのです。
風邪を治す上で本当に重要なものは"人間に備わっている自然治癒力"であることを、医師は知っています。さらに、くしゃみなどは鼻に入ったウイルスを追い出すための生体防御反応であり、発熱も同様にウイルスと闘っている反応の結果として出ているものです。
風邪の諸症状は意味がなくただ苦しいものなのではなく、自分の体を守るために備わっている"機構による反応の結果"なのです。
したがって、むやみに症状を抑えつけると、本来持つ生体防御反応を阻害してしまうことにもつながってしまいます。
上記のことから、医師の多くは風邪をひいたときに薬を飲まず、免疫力を高められるよう安静にすることを選択するのです。
もちろん臨床での業務がどうしても外せないときや学会で発表があるときなど、重要な仕事があるときにはその場を乗り切るために薬を飲む医師もいるでしょう。ただ、基本的な心構えとしては安易に薬を飲んで症状を抑えないという人が多いことが現状です。
■病院ではなぜ薬を処方するのか?意味がないわけではない
上述したとおり、薬でむやみに風邪の症状を抑えてはいけないことは医師の中では周知の事実です。
それでは、なぜ医師は病院で薬を処方するのでしょうか?
医師が病院で薬を処方することに全く意味がないわけではなく、相応の理由があるために薬を処方します。風邪を根本的に治すためには自然治癒力に頼るところが大きく、できるだけ安静にして、栄養と睡眠をたっぷりとる必要があります。
しかし、風邪の症状がひどければ、喉が痛くて食事を摂れないこともあれば、咳がひどくて睡眠がとれなくなることもあります。
そのようにして、食事や睡眠など生活の基本に影響があっては、本来持つ自然治癒の作用も妨げられてしまうでしょう。薬を処方することで、食事を摂り、たっぷり睡眠をとることをサポートし、間接的に自然治癒力を高めるということが基本的な考え方になります。
例えば軽い風邪をひいたとき、自分は解熱剤を処方してほしかったのに、医師が処方してくれなかったとなると、「適切な治療をしてくれない医師」と捉える患者もいるかもしれません。
しかし、もしかしたらその医師は優れた医師で、薬を出して無理に症状を抑えるよりも、自然治癒力を高める方が回復は早いと判断した可能性もあります。
その際は患者が納得できる説明を行う必要がありますが、薬の位置付けを考えることが重要となります。
■医師ってサプリメントは飲むの?アメリカでは処方もする
医師の中でもサプリメントを飲む人と飲まない人、考え方は分かれます。日本では風邪や口内炎のときに処方されるビタミン剤などを除き、サプリメントを処方することはそれほどポピュラーではありません。
一方のアメリカでは、薬と一緒にサプリメントを処方するほどメジャーになっているのです。日本人の認識としては、サプリメントの使用は民間療法というイメージが強いですが、欧米では医療機関で扱われています。
毎日バランスの良い食事をとることができていればサプリメントは不要ですが、忙しいライフスタイルにおいて栄養を補うものとして使う医師もいます。しかし、サプリメントの質もさまざまであり、その成分の含有量にも違いがあります。
十分な量が配合されておらず、効果が期待できないものもありますが、パッケージの成分表示までしっかりチェックして飲むという医師もいます。
アメリカの医療で使われるように、成分や配合量がドクターユースのレベルであれば飲んでいるという医師もいるでしょう。
【まとめ】
医師は薬をできるだけ飲まないという人が多いです。特に風邪薬は症状をおさえるだけで根本的に治すことができるのは人間の自然治癒力だけであると医師は考えています。
もちろん薬を使わなければどうすることもできない病気もありますが、風邪であればよほどでない限り薬を使わない傾向にあります。