子供の医療費は自治体が助成をしてくれることが大半であり、安心して子育てに当たることができるような仕組みができています。ただ、助成のあり方は自治体によって異なり、助成の程度に応じて転居先を決める人もいるほどです。
今回は、子供の医療費助成についてご紹介していきます。
子供の医療費は、小学校に入学する前の乳幼児では2割、小学生以上の子供では大人と同じく3割を自己負担することが国によって決められています。しかし、小児科で働く医師や子育て中の方は、就学前の子供の医療費が無料になると認識していることも多いのではないでしょうか。これは、国で決められている制度のほか、各自治体が独自の予算を使って子供の医療費の自己負担を減らすことができる仕組みに基づいています。
「子どもの医療費助成制度」と呼ばれるこの制度は、全国すべての自治体で設定しており、少子化対策の一環として行っています。自治体によって制度は異なり、また所得制限もあるためすべての子供で医療費が無料になるわけではありません。ただ、子育て世帯にとっては子供の医療費は気になるポイントであり、助成の大きな自治体を選んで転居先を決める人も少なくありません。
いくらかかるか見積もることが難しい子供の医療費が完全に無料になるのと、ある年齢からは自己負担が発生するのとでは大きな違いがあるのです。
子供の医療費助成を何歳まで受けることができるかは、各自治体によって異なります。
通院の場合を例に見ていくと、子供の医療費助成となる年齢については自治体によってばらつきがあります。2014年時点では、自治体が医療費の助成を行う子供の年齢について、就学前までが337、小学校卒業までが185、中学校卒業までが930、高校卒業までが201の市町村となっています。
こうした数字からもわかるように、就学前までの助成しか行わない自治体や、高校卒業まで手厚く助成してくれる自治体などあり方は様々なのです。兵庫県では2016年に中学卒業までの医療費を無料にする自治体が8割を超えたことで注目を集めました。中学卒業時には子供は15歳になっていますが、この年齢まで医療費の助成をしてもらえるとなれば経済面でメリットがあると感じる人が多いです。
中には北海道南富良野町のように大学卒業までの医療費を無料にするというケースも存在します。そうした取り組みを通して、各自治体が少子化対策をしている状況といえます。
自治体によって就学前までしか助成しない場合もあれば、大学卒業まで医療費が無料になるケースも存在します。地方であれば少子化対策として若い働き手を呼び込むための政策となるでしょう。
ただ、隣の町と医療費の自己負担額があまりにも異なる場合には、住民からの不満も上がってくる可能性もあるでしょう。
全ての人が平等に医療を受けられる社会を目指す上で、こうした待遇の格差に関しては賛否両論あるかもしれません。ただ、自治体ごとに予算をどのように使っていくかは戦略が異なるため、差が出てくることはやむを得ない部分もあります。
居住地に特別なこだわりがない場合には医療費助成のあり方によって転居先を決めることも方法です。少なくともこれから出産・子育てを経験する予定のある人や、転居先の市町村を検討している人は、各自治体のホームページで子供の医療費助成についてチェックしておくと良いでしょう。
子供の医療費に関しては自分が住んでいる地域のことしかわからず、全国的にどのような助成が行われているのかについてはよく知らなかったという方もいるのではないでしょうか。子育て世帯は子供の医療費負担について自治体ホームページ等で確認しておくと良いでしょう。