女性の結婚したい職業ランキングで上位に入る医者ですが、現実はどうでしょうか。
多くの医師の方が出会いの場の少なさを嘆いていると思います。では、医師とそれ以外とでは出会いの場に違いはあるのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所が行っている「第15回出生動向基本調査」と、医系専門予備校メディカルラボによる「既婚の現役医師に対する調査」を比較します。
医系専門予備校メディカルラボによる調査では、現役医師のうち「研修医時代や医師になってから出会った病院関係者」と結婚した医師が38.5%と、職場結婚するケースが最も高い割合を示しています。また、「医学生時代に出会った相手」が23.8%となっており、職場・学校関連だけで6割以上を占めています。
一方、出生動向基本調査からわかる一般的な比率では、職場や仕事での出会いは28.1%、学校での出会いは11.7%となっており、それぞれ医師よりも10ポイント以上低く、合計しても4割に達しません。
一般的には4割に満たない職場や学校関連での出会いですが、医師の場合、6割以上の比率となっています。
医師の皆さんが実感されている通り、多忙で出会いの場が少ないために、結果として職場結婚や学生時代の出会いを活かしての結婚の比率が高まっていると推察されます。
では、一般の方はどこに結婚相手と出会いがあるのでしょうか。医師との違いを見ていきます。
「出生動向基本調査」と「メディカルラボによる調査」の大きな違いは、「友人・兄弟姉妹を通じた出会い」にあります。「友人・兄弟姉妹を通じた出会い」は、一般的には30.9%もあるにもかかわらず、医師の場合は、8.6%と一般の方の三分の1以下です。
この記事をご覧になっている医師の皆さん、ご自身や周りの方を振り返ってみると、この調査結果についてはいかがでしょう。
勤務先の病院での当直や夜勤、当番医があったり、中には民間病院での夜勤のアルバイトをされている方もいらっしゃるかもしれません。なかなか他の方との時間の都合が付きづらく、病院以外での人づきあいが減っていることを実感される方も多いのではないでしょうか。
人と人とのつながりから、新しい出会いにつながっていくものですので、人付き合いが減ってきてしまうと、結果として出会いの場も狭まってしまいます。
そういった医師の実情が、この調査結果に表れています。
調査結果を比較すると、職場や学生時代の出会いから結婚に至る比率が高いこと、また、友人・兄弟姉妹を通じた出会いの比率が低いことがわかりました。
医師の出会いの場には、もうひとつ大きな特徴があります。それはお見合いの比率が高いことです。
出生動向基本調査によると、35年ほど前の1982年の調査では一般の方でもお見合い結婚の比率は29.4%と3割ほどを占め、出会いの場として最も高い比率を示していました。しかし、徐々にその比率を下げて、2015年調査では6.5%まで落ちています。
一方、医師の場合、お見合いによる出会いは一般の方の2倍以上の14.6%を占めています。この数字は四半世紀前の1992年の一般の職業の方の調査結果と近い数字になっています。
中には、開業医の方で地元の名士となられているようなご家庭で、お見合い結婚が前提となっている方もいらっしゃるかもしれません。そういった方でなくとも、医師の場合、日常が多忙で出会いの場があまりないことや経済的に安定している方が多いために、お見合い結婚に向いている職業であるともいえます。
いかがでしたでしょうか。医師として働いていると、どうしても世界が狭くなってしまう傾向があるようです。
仕事との折り合いがなかなか難しい点はあるのですが、積極的に、仕事と関係のないコミュニティーに顔を出すことが必要ではないでしょうか。また、多くの先輩医師のようにお見合いで相手を探すことも考えてはいかがですか?