子供にお小遣いをあげるのは何のためでしょうか。単に必要なものや好きなものを買わせるためだけではありません。小さいうちから金銭感覚を覚えさせるという大事な意味もあります。
これを間違うと、お金の価値を知らずになんでもすぐに買ってしまう大人になったり、逆にあまりにも節約・倹約傾向が強い大人になってしまうこともあります。バランスの取れた金銭感覚はバランスの取れたお小遣いから始まります。
まずは「家計の金融行動に関する世論調査」において2016年の子供へのお小遣い平均を見てみましょう。
これによると小学生1~2年「1206円」、小学生3~4年「777円」、小学生5~6年「1272円」、中学生「2453円」、高校生「5578円」となっています。
小学生低学年においてはお札をお小遣いとしてあげるのは高いので、500円玉を渡している家庭が多いようです。小学生高学年になると1000円~2000円のあいだが多くなります。
あくまで平均値ですから、これに合わせれば良いということではありません。自分の子供に合った最適なお小遣いを決めることが大切です。
子供といっても性格はそれぞれ人によって違いがあります。けちんぼ傾向が強い子もいれば、すぐにお金を使っちゃう子もいます。
けちんぼの子には大目にお小遣いを渡して「お金を使う大切さを教える」、お金をすぐ使う子にはお小遣いを少なくして「お金を貯める大切さを教える」というやり方もあります。
ただ単にお小遣いをあげるのではなく、「家事などのお手伝いをしたらお金をあげる」という報酬型も良いでしょう。報酬型にすれば「仕事をして手に入れた大切なお金」という意識を子供も持てるようになります。
適切なお小遣い―多すぎず少なすぎないお小遣い―を渡すことによって、子供たちに「このお金をどういう使い道にしようか」と思考させることも大事です。そのため親が「こんなものは買っちゃダメ」とか「こんなお金の使い方はダメ」と縛るのは良くありません。
子供は子供なりに貰ったお小遣いで何を買って何を諦めるか、何が買えて何が買えないか、ということを考えます。その考える機会を奪うのは子供のためになりません。子供の自主性を尊重し、どういう使い方をするのかを見定めましょう。
それでもし子供が失敗したら戒めればいいわけですし、子供も自分の失敗によって学び、成長していきます。
子供の金銭感覚を育むには、お金の管理能力と浪費能力の両方を学ばせることが大切です。そのため一日一日ずつ渡すのではなく、やはり一週間、一か月単位でお小遣いを渡したほうが「お金を管理する期間」が生まれて、管理とやりくり、使い方の両方を考えさせることにつながります。