不動産投資は、安定した副収入をもたらせてくれるほか、節税にも活用できるのをご存知ですか?忙しくて時間がないと嘆いている勤務医でも、不動産投資は案外手軽に始められます。
節税の仕組みとメリットを解説していきましょう。
不動産投資で身近で始めやすいと考えられるのは土地や建物を貸すものです。
土地や建物を貸すと、毎月賃貸収入が入ってきます。さらに、一定期間持っていて値上がりしたところで売れば、売却益が見込めます。いずれの場合も、まずはよい条件の物件を適正価格で確保することが成功の条件です。収益を生む物件選びのポイントは、周囲の環境がよい、交通や買い物に便利、建物の管理・メンテナンスがしっかりしていることなどです。
しかし、土地や建物の相場を正しく評価するのは、専門知識がない限りまず無理です。そこで、国土交通省の「土地総合情報システム」などを使いましょう。公示地価や土地・建物の実際の取引価格を見ることができるので、経験がなくてもある程度の目安がわかります。
不動産の取得に際して、建物には消費税がかかりますが、土地は消費するものではないため、消費税はかかりません。ただし、取得後は土地・建物両方に毎年固定資産税がかかります。不動産収入には所得税と住民税がかかります。課税所得は総収入から必要経費を差し引いた金額となります。
不動産投資の節税とは、確定申告の際に収入から所得控除と必要経費を差し引き、課税所得を圧縮して所得税や住民税を節約することです。
必要経費として計上できるものは、以下のようにたくさんあります。
減価償却費とは、リフォーム費用やエアコンなどの備品費を、毎年一定の金額で費用として計上するものです。その年に現金の支出がないものを必要経費に含めて控除できるため、収入を圧縮でき節税につながります。
不動産投資の収入には所得控除が設けられていますので、確定申告の際に青色申告をすると、最高65万円の特別控除が受けられ、その分節税できます。
10部屋以上あるマンションなどそれなりの規模の物件なら、事業的規模が適用され控除額がさらに大きくなります。おまけに家族を専従者として雇い給与を支払えば、それが費用となりその分さらに節税になります。
さらに、他の所得との損益通算ができるので、不動産で赤字が出た場合に課税所得を減らせます。例えば、給料で1,000万円の所得があり、不動産で100万円のマイナスが出たとします。その場合の課税所得は、給料の1,000万円から不動産のマイナス分100万円を差し引いた、900万円とすることができるのです。
このように不動産投資には安定した収入と節税効果がありますが、それ以外に死亡保険の代わり、相続税対策というメリットもあります。たとえば自分の不動産を子どもに相続させるとします。不動産は路線価で評価されるため、評価額は実勢価格の7割から8割程度になり、相続税を計算するとき預貯金よりも有利になるのです。とはいえ、よいことばかりではありません。リスクやデメリットもありますので、留意しておくことが大切です。
たとえば不動産価値は、景気動向によって下落することがあります。さらに、突然まとまった資金が必要になったとき、売却に時間がかかり、すぐに換金できません。
そのほか、貸した部屋で犯罪が行われたり、自殺や孤独死といった事故があったりすると、借り手がつかなくなります。たとえ犯罪にいたらなくても、身勝手な住人が賃料を滞納したり、騒音やゴミ出しで近所とトラブルになったりといったリスクもあります。
さらに、不動産投資が身近になるにつれ、競争も激しくなります。近所に新しい物件ができ、空き部屋が出たり、借り手を確保するため仕方なく賃料を下げて、収入が減ったりということも考えられます。
最近問題になった、30年一括借り上げをうたう会社に任せた結果、その会社が倒産し多額のローンだけが残る、というサブリース・リスクにも注意が必要です。
不動産投資は安定した副収入、節税などさまざまなメリットがあります。不動産管理会社に管理を任せれば、ほとんど労力をかけずに済みますし、費用を上手に計上して課税所得を圧縮できます。
さまざまなリスクやデメリットも考えられますが、仕組みをしっかりと理解した上で、検討してみてはいかがでしょうか?