昔はブランド品を持っていることが「ステータス」のようにみなされていました。ところが、最近ではブランドにこだわらない人が増えてきており、ネームバリューよりも実用的であるかどうかを重視する人が増えている傾向にあります。
バブル期においては、ハイブランド品を持っていることがステータスとされ、多くの人がブランド品に憧れを抱いていました。ところが、近年は若者の消費動向が変化し、被服品に使う金額が男女共に約半分まで減少していることが総務省の「全国消費実態調査」より明らかになっています。
バブル期と2014年を比較すると、30歳未満の若者では、被服品にかける平均金額が男性で1万1千円から5千4百円に、女性で2万1千円から8千9百円に減少しています。事実、安価でも高品質を売りにしているメーカーが人気を集めており、若者のお金の使い方が変わってきていることが実感できる場面も多いでしょう。
ジェニファー・L・スコット氏の著書「フランス人は10着しか服を持たない」が日本でもベストセラーになり、質の良いものを少しだけ持つようなライフスタイルを目指す人も出てきましたが、それでもやはりバブル期に比べるとブランド品へのこだわりはなくなってきている傾向にあるといえます。
近年、若者はブランド品だけでなく車も欲しがらない傾向にあるといわれています。ブランド品や車など高価なものを欲する気持ちがあることは、良い意味で野心の表れであったといえるのではないでしょうか。
ブランド品や車といった「モノ」だけでなく、恋愛も必要ないと考える人が増えています。2015年に内閣府が発表した「結婚・家族形成に関する意識調査」の結果によると、未婚男女の4割が「恋人が欲しくない」と回答しています。若い世代においてはあらゆるものに対する野心が薄れてきている傾向にあるのです。
若者のうち、ある世代に該当する人については「ゆとり世代」などと呼ばれていますが、最近では「さとり世代」という言葉もすっかり浸透しました。高みを目指さず、そこそこで良いと考える人が増えてきているようです。そうした変化からも、ブランド品を選ばない人が増加している現状にあるのです。
近年の若者の傾向として、ハイブランドにこだわらず実用的なものを選ぶようになってきています。昔は「高い物=質が良い物」として認識されていましたが、安くてもそれなりの質のものを選ぶようになってきているのです。
ネームバリューにこだわらず、本当に質がよく、実用的なものや機能的なものが選ばれるようになってきています。昔は医師といえば腕時計にもお金をかけ、ロレックスやオメガなど高価なものを購入することもしばしばありました。中には百貨店のお得意様として外商を利用して買い物をしていた方もいることでしょう。
最近では、高所得者だからといって必ずしも高価なブランド品を身につけるというわけではなく、消費のあり方にも変化が見られてきています。医師においても例外ではなく、プチプライスの衣類を愛用している場合も少なくありません。毎日多忙で休日にゆったり出かけるということもままならないため、機能を重視して気兼ねなく身につけられるものを選択するようになってきているのかもしれません。
若者の消費に対する意識は変化を遂げてきていますが、それは同世代と比べて収入が多い医師においても同様のようです。
自分では「ファッションにはこだわりがない」と思っていても、意外と周囲から「医師はどんなブランドのものを身につけているか」という目で見られることもあるため、その点は念頭に置いておきましょう。