医師といえば休日にはゴルフを楽しむイメージが強いですが、最近は医師の「ゴルフ離れ」が起こっている傾向があります。 若者のゴルフ離れが進む中、医師の中でも他のスポーツを楽しむ人が増えているようです。
身近にいる20代〜30代の姿を思い浮かべてみたとき、ゴルフを楽しんでいる人はそう多くないのではないでしょうか。かつて多くの企業は社交場としてゴルフ場を利用してきた経緯があり、ゴルフを通して接待を行ってきた歴史があります。そうした仕事の延長線上で磨いたゴルフのスキルを活かして、休日にゴルフを楽しむ人が多かったですが、近年はそうした人の数は減少傾向にあります。若者のゴルフ離れが進んでいることによって、ゴルフ場やゴルフ用品の売上高も減少していくのではないかと懸念されています。 若者のゴルフ離れの背景には、仕事の接待などでゴルフをする機会が減ったこともありますが、プレイフィーや用具代の高さなど金銭的な理由もあるようです。実際、ゴルフは富裕層向けのスポーツと認識している人も少なくないのではないでしょうか。医師の場合には年齢が若くても同世代と比較すると収入が多い傾向にあるため、経済的な面というよりは時間的・体力的な面でゴルフを敬遠していることが推察されます。ゴルフをコースで本格的にプレイしようと思うと丸一日使うことになるため、ワークライフバランスを重視したい若者にとっては重い腰が上がらないのかもしれません。実際に筆者の周りにいる若手医師を見てみてもゴルフをしている人はごくわずかであり、大半は手軽に取り組める他のスポーツで汗を流しています。
近年、都心を中心にスポーツジムが急増し、休日や仕事帰りにも通いやすくなりました。スポーツジムのコースもバリエーションが豊富で、時間を問わず通い放題など不規則な生活をしていても利用しやすくなっています。 女性の間で流行しているヨガを例に見てみても、最近では暖かい室内で汗を流しながら行う「ホットヨガ」の専門店が人気を集めるなど、ニーズに合わせてスタイルも細分化してきました。 健康づくりのためにも運動習慣は持ちたいと感じつつ、忙しい毎日が続いていると手短にジムで運動をして楽しむ医師も多いようです。ランニングなどは好きなときに好きなだけ、疲労の状態に合わせて取り組める手軽さがメリットといえるでしょう。自宅から通いやすいところにスポーツジムが増え、立地的な条件から始めてみようと思う人も少なくないようです。
最も過酷なスポーツといわれるトライアスロンにハマる医師も少なくありません。トライアスロンは始めるのにコストもそれなりにかかるため、ある程度経済的に余裕のある人から支持される傾向にあります。あえて過酷なスポーツを選択する背景には、単純に運動習慣を持ちたいというだけでなく、自己実現欲や達成感を味わいたいという心理があるようです。実際に、医師として一人前になるまでの過程には、「目標を立てて実現する、達成する」という機会がいくつもあったことでしょう。そうした自己実現・達成をしたい人からトライアスロンは支持されているといえるのです。医師としてストイックに働く人の中には、交感神経を働かせて限界に挑戦することにやりがいを感じる人が少なくないことも頷けます。アドレナリンを放出して、爽快感を味わいたい医師はトライアスロンにハマっているのかもしれません。
年々若者のゴルフ離れが進んでいますが、それは医師の世界においても例外ではないようです。ランニングなど手軽な運動を好きなときに楽しむほか、最も過酷といわれるトライアスロンに挑戦する人も少なくないのです。