人気テレビドラマ「ドクターX」の影響もあるのか、小学生の女の子が憧れる職業ランキング1位には医師がランクインしています。
子供が憧れる職業として女性医師の人気が高まってきていますが、実際に国内外において女性医師は増加傾向にあります。
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が行った第9回「夢をかなえる」作文コンクールでは、小学生の女の子が将来なりたい職業を調査し、ランキング形式で集約しました。第7〜8回のコンクールにおける集計でも、女子では医師が1位になっていたことから、3年連続でのランクインということになります。
そのほかにはパティシエール、保育士、教師、看護師など女の子に好まれるであろう職業の数々が例年ランクインします。それらの人気職種をおさえてトップに立つほど医師が人気であることの背景には、ドクターXなど女医を取り上げたテレビ番組の影響もあるのかもしれません。
医師の中には、医師を目指すきっかけとなったのは「ブラックジャック」という方もいるかもしれません。実際に医学部の面接などで医師を目指したきっかけなどについて問われてそのように答える受験生もいます。
女の子に人気の職業として医師がランクインされたことから、将来的に医学部を目指す女性の数がますます増えていく可能性があります。
フランスでは男性医師よりも女性医師の方が多くなっていくことが推測されています。2022年には約6割が女性になるとも予想されているのです。
実際に医学部に入学する女性の数も増えており、フランスの大学で医学部を覗いてみると女性の割合が多いということも珍しくないようです。
なぜ、フランスでは女性医師の人気が高まっているのでしょうか? 医師の仕事では持っている知識や技術を生かして働けることから、出産後も復帰しやすいということでフランスでは人気を集めています。
女性医師が増えてくると、産休中はお互いにサポートするような体制も整い、ますます女性が働きやすくなるという良循環に結びついていくことでしょう。女性が当たり前に産休・育休を取得し、また仕事に復帰することができるような体制が整っていることが人気の背景といえます。
日本においても、女性医師の数は年々増加してきています。
厚労省の調査によると、平成8年には32259名だった女性医師は、平成24年には59641名に増加しています。
こうしたデータからもわかるように、確かに女性医師の絶対数は増加しており、実際に女性医師の割合も昔と比べると増えました。地域の病院やクリニックでも女性医師と遭遇することは増えたという実感がある方も多いでしょう。
実際に医師国家試験を合格した人の男女比をみてみると、平成7年には女性の割合が23.7%でしたが、平成12年には30%台に入るようになりました。
ただ、その後はわずかな増減はあるもののほぼ横ばいで推移しています。割合で見るとまだまだ男性医師の方が圧倒的に多く、「女性医師が働きやすい職業」という印象は弱いことが現状です。
日本においては女性医師の数は増えているものの、男女比自体は15年近く大きくは変動していないことになります。日本の場合には産休や育休が取りにくく、ブランクがある女性医師に対するフォロー体制も整っていないことが課題であるといえるでしょう。
フランスのように女性医師が増えてくれば、女性が働きやすい環境ができるでしょう。
小学生の子供に女医志望の子が多いことからも、その子供たちが大人になるまでには女性も働きやすい環境を整備していけることが理想的といえます。
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近年、女性医師の数は増加してきています。 米・ハーバード大学の調査より、男性と比べて女性の内科医では診療した患者の死亡率が低くなることが示されました。 女性医師が診療すると死亡率が下がる現象は、どんな要因によって起こるのか知りたいという方も多いことでしょう。 |