一般のサラリーマンにおいても終身雇用というスタイルは減少してきました。社会全体で以前よりも転職を行う人が増えていますが、医師の場合はどうなのでしょうか。今回は医師の転職事情についてご紹介していきます。
医師も一般的なサラリーマンと同様に、「転職したい」と感じることがあります。その理由は人によって様々ですが、現状に何らかの不満を感じているか、よりステップアップしたいという考えがあるか、大きく2つに分けられるでしょう。
医師の転職理由としてよく聞かれるものは、まず年収に対する不満が挙げられます。医師の年収はその他の一般的な職業と比べると高給であるイメージが強いです。それでもキャリアに応じて昇給可能な仕組みが整っていたり、より豊かに生活ができたりといった条件の方が魅力的に感じられるでしょう。
医師の中には訴訟や医療ミスのリスクがあることを考えると薄給だと感じる人もいます。住宅ローンや趣味に費用を当てるためにも、年収のアップを望む医師も少なくありません。
また、その他の転職理由としては当直やオンコールを減らしたいといったことも挙げられます。医師の仕事をハードにする要因の一つに当直・オンコールへの対応といった業務が挙げられます。年齢とともにそうした勤務が負担に感じるようになる人も多いのです。
あるいは、家庭の事情などで勤務地を変えたい、さらなるキャリアアップをしたい、転科を考えているといった理由で転職を希望する人もいます。
いずれにせよ、医師が何らかの理由で転職を考える場面も珍しくありません。
医師の転職回数は、生涯において3〜4回程といわれています。臨床研修を終えて30歳前後から仕事を始め、60代まで働くと考えても、約10年に1回のペースで転職しているということになります。
もちろん個人差は多いので一概にはいえず、転職が無いか1回のみであるという人もいれば、5回以上になるという人もいるでしょう。
医師の場合は会社員とは異なり、知識や技術が備わっていれば同じ診療科であればある程度どこでも働くことができるという強みがあります。また、弁護士などの専門職でも知識・経験が問われることは共通していますが、やはり医師の場合は「医師不足」が叫ばれ、全体的な医師数も足りていないため、場所や条件などに強くこだわらなければ転職しやすいといえるでしょう。
専門的な知識や技術があり、さらに職場も全国各地にあるとなれば、一般的なサラリーマンと比べ医師の転職の回数が多くなる傾向にあることは頷けます。
医師が転職を考えるとき、転職の時期はいつがベストなのでしょうか。
一般的な企業と比較すると、4月に入社式があるといったような季節による明確な境目はないといえます。それでもやはり4月は医師の求人が最も多くなる時期です。新卒者の採用等も行うタイミングであり、節目となる時期なのです。
その他のタイミングとしては、7月・12月のどちらかで夏・冬の賞与をもらったあと転職しようと考えるケースも多いです。転職を考えるのであれば、採用枠が多くなる4月、もしくは状況によって夏・冬の賞与をもらったあとというタイミングをおすすめします。
一般的なサラリーマンと同様に、医師においても転職するということは当たり前のように発生します。手に職があるという点では、サラリーマンよりも転職回数は多くなるといえるかもしれません。
生涯における転職回数や転職のタイミングを知っておけば、住宅ローンの組み方を含めた人生設計を考えるヒントになるので、転職を考える医師の方は参考にして下さい。