「今よりいい職場で働ける、大きなチャンスが来た」
そんなヘッドハンティングはあなたの医師生活を充実させてくれるでしょう。しかし、声がかかったからと舞い上がっては、かえって、条件が悪くなる契約をしてしまうこともあります。
そこで、ヘッドハンティングについてあらためて知ることが大切です。
ヘッドハンティングとは優秀な人間を外部で見つけ、スカウトすることですね。ヘッドハンティング自体は一般的なもので、大きな企業の場合はニュースにもなります。
他には就職する前の若者をスカウトすることもヘッドハンティングと言えますね。このヘッドハンティングは、医師に対しても行われています。
その需要の増加から、医師のヘッドハンティング専用のサービスを行う企業も出てきています。つまりある日、医師として勤務を終えた時間帯などに転職の誘いがやってくることがあるかもしれません。
ヘッドハンティングは直接相談をされることもありますが、ヘッドハンティングを請け負うエージェントから相談がされることもあります。
そのきっかけは様々で、手紙や電話、メールの他、病院内で直接アプローチされることもあります。対面でアプローチされる場合もその前のアポイントが入っていないので、本当に突然であるといったことが多いです。
ヘッドハンティングが行われる理由はただ一つ、その病院があなたの力を必要としているからです。一般企業の会社員として利用する転職サイトは現代では多くありますが、エージェントを利用したとしても、あくまで自薦によるきっかけのものが多いです。
相手から選ばれると言う時点で医師としての「技術の高さ」の証明になりますし、こちらが交渉の主導権を持てる可能性も上がります。
この人を採用したいという意図を持って行われるヘッドハンティングですから、通常の転職と違い、中長期的なビジョンを持っていることが多いです。そのため、双方が納得できるようにしっかりと話し合いが行われるケースが多々です。
最初は前触れもなくアプローチをされますが、そこで医師側が興味を持った場合、面談に進んでいきます。
エージェントを通している場合は、エージェントとの面談を行います。そこで、相手がどのような人材を求めているのか、こちらにはどのようなメリットがあるのかなどを話し合います。
さらに、医療機関とも面談が行われます。この面接は複数回実施され、多い場合は10回行われることもあるんです。会社員がヘッドハンティングをされる際の面談回数は多くても数回までなので、ヘッドハンティングとはいえ、医師の転職は一般企業とは違った形なのがよく分かります。
面談を通して話がまとまれば、条件を調整して仮契約を結びます。本契約は現在勤務している病院を退職した後に結びます。時には遠隔地での勤務になることもあります。
ただし、ヘッドハンティングが必ずしも喜ばしいことばかりとは限りません。次のような点に注意する必要があります。
まずは「条件の明確性」です。ヘッドハンティングはうれしいことですが、もしかすると今よりも給与面での待遇が悪くなることも考えられます。
そして、組織としっかり合うかどうかも重視すべきでしょう。横つながりでのヘッドハンティングが多いとはいえど、勤めている病院との環境は大きく違うといったケースも多いものです。
患者と向き合うのが医師の仕事ですが、職場の人間関係や風土も、医師として勤務を続けるのであれば重要なポイントでしょう。
そして重要なのが、しっかり退職できるかどうか。ヘッドハンティングされるということは、今の勤務先でもそれなりの戦力であることがうかがえます。場合によっては退職までに数年かかることもあるでしょう。
退職までの道筋はエージェントとも相談しながら進めていき、いかに円滑に医師として転職できるかどうかも重要です。
なお医師のヘッドハンティングは、今はエージェントがノウハウを持っていることも多いです。もし、医師として転職を悩まれているという方は、ヘッドハンティングされることありきで、医師の転職サイトへの登録を行うことも有効な手段といえるでしょう。
ところで、どんな人がヘッドハンティングされやすいのでしょうか? 仮にうまくいかなくてもヘッドハンティングされることは実績であり、医師としての自信につながるはずです。
ヘッドハンティングされやすい医師の条件は、主に勤務先で評価が高いことと、専門的な高い技術を持っていることです。これはよい医者を求めるうえでは当然と言えます。次に、有名な病院に勤務している医師もブランドとしての評価が高いです。
年齢については、若い方でしたら将来を見越して、40~50代の方は重要なポストに招へいする形でのヘッドハンティングが行われます。
突然、ヘッドハンティングの声がかかることもあれば、自身が勤務医として転職を考えている際に、医師転職サイトの登録でも起こりうる「医師のヘッドハンティング」。医療人生をどのように送るか、しっかりと自分自身で明確にしておくことも大事です。
キャリアアップを目指す医師であれば、ヘッドハンティングされるということは喜ばしいことです。また、自分自身"新たな環境"で、今と違った医療人生を送るのも選択肢の一つでしょう。
医師の少ない離島という環境に飛び立つため、医師としてヘッドハンティングを利用される医師も少なからずいます。自分自身の医療人生で、うまくヘッドハンティングを活用してみてください。