医師の働き方として、自分の生活を顧みず人のために尽くすことが美学のように思われてしまいがち。医師も同じ人間なので価値観は様々であり、現状に何らかの不満があり、転職したいと思うこともあるでしょう。
近年、政府が「働き方改革」を掲げ、長時間労働などの過酷な働き方を見直そうという動きが高まっています。日本は様々な世界ランキングでも上位のポジションを獲得しており、GDPに関しては世界3位を誇っています。GDPの数字を見ると日本は紛れもなく経済大国といえるわけですが、「一人あたりのGDP」は世界27位と先進国の中で最も低くなっています。
数字としても生産性の低さが露呈しているのが現状ですが、かつてのように身を粉にして働くという価値観が薄れてきていることも事実です。これは医師の世界でも同様で、日本の若手医師もプライベートを重視する割合が増えてきており、医師の価値観も変わってきているのです。
ただ、医師の中には従来のようにキャリア重視でどんどんスキルアップしていきたい、学会・論文発表もたくさんしたいという人は存在します。その一方で、もっとプライベートに時間を割きたいと考える医師もいます。理由はそれぞれ異なりますが、自分の価値観に応じた転職は医師の世界ではよくあることです。
これまでに医師として働く中で、「転職したい」「職場を変えたい」と思った経験はあるでしょうか。肉体的な負担であったり、キャリアのことであったり、理由は様々です。医師の転職理由としてよくあるものは次の通り。いずれかに該当する思いがある医師も多いのではないでしょうか?
年収増やキャリアアップのために転職を希望する医師、家庭の事情などで勤務地を変更したいと考える医師は多いです。ただ、やはり医師というハードな仕事を楽にしたいという思いから、当直やオンコールを減らして身体的な負担を減らしたいという希望がある医師も少なくありません。
若いときはハードな生活に耐えることができても、年齢とともに負荷を減らしたいと考える人が多いのは自然なことでしょう。
また、意外と多いのが大学病院や医局を離れたいという転職の理由です。教授の退任と合わせて転職する場合や、医局の人事や人間関係のしがらみが肌に合わずに環境を変える人もいます。
自分の出世のため、患者のためというポジティブな理由で転職を希望する医師も多いでしょう。ただ、中にはストレスや人間関係が原因で現在の環境から抜け出したいと思う医師も少なくありません。
当然、医師も人間なので周囲の人間と合わないことはあります。備わっているストレス耐性の程度についても個人差があるので、どうしても耐えられないということは起こりえます。精神科的に考えると「認知を変える」ということも有効なのかもしれませんが、自分のことになるとなかなかうまくいかないこともあるでしょう。
一般的な職業であれば転職先がなかなか見つからないこともありますが、医師という仕事柄、資格と経験はずっと残るものです。転職エージェントなど、転職先の斡旋をしてくれる企業も多いので、自分に合った職場を見つけることができるよう動いてみるのもいいでしょう。
医師が転職を希望するときの理由は様々。キャリアアップのために転職を視野に入れる人もいれば、人間関係に不満がある、今の環境から耐え難いストレスを受けているために転職する人もいます。どんな理由であっても、医師の資格とスキルがあれば勤務先に困ることはないでしょう。