デジタル時計に搭載されたAIで心拍数がわかり健康状態を自分で管理ができる時代です。自ら学習する脳である人工知能は医療現場では医師のサポート役として重要な役割を果たしています。ここ最近におけるAI医療の事例を集めました。
人工知能を使って、癌の放射線治療の迅速化を成功させた事例があります。治療方針が速やかにできるのが特徴です。IT企業と英国の大学病院が手を組み、データ解析する人工知能機器の力をがん治療に役立てている事例を紹介します。
がんの放射線で治療の中でも頭頸部ガンは難易度の高い治療になります。理由は、癌の細胞周辺を組織が取り囲んでいるからです。放射法にちょっとしたミスがあれば健康な部位を損傷させることになります。そのため放射プランを緻密に立てることが重要になるのですが、今のレベルでは立案までに通常約4時間の時間が掛ります。
過去データから人工知能が規則性を見出し放射すべき部位の判断と目的部を狙う的確な角度や適した回数などの細かな数値をはじき出すことで、提示されたパターニング情報が、放射線治療方法を医師が決定する上での手助けとなります。これによって作業効率が高まります。
うまくいけば、今までの時間より約1時間の短縮に成功します。短時間化によって、医師たちはほかの治療や研究、患者ケアに従事することも可能です。
厚生労働省によれば、2025年には日本の高齢者の5人に1人が認知症になるとのことです。高齢化した日本の認知症患者数は今後増加傾向にあります。認知症に関する事例を2つ紹介します。
人工知能が認知症患者のリハビリ支援をする事例を紹介します。ミニモニターとカメラが搭載された専用メガネのスマートグラスをかけ、患者が調理をしている際のデータから、うっかりがなくなるようサポートします。例えば、料理中にカットナイフから意識が一定時間逸れると注意喚起するメッセージが画面上に出る仕組みになっています。
スマートグラスにレンズ映像をサーバーが解析した結果が送信され、この繰り返しからその人の行動パターンを導き出し、ほかの調理行程中に集中が途切れてしまわないよう音やバイブレーションでシグナルを送ることができるようになります。日常生活が送れるよう支え自立性を高めるリハビリシステムです。
カナダの研究チームが開発したのは認知症を予測する人工知能です。軽度の認知症患者についての過去のデータを人工知能に学ばせることで90パーセント近くの精度で予測が可能であると発表しています。これにより発症するかどうかが2年先にわかることになります。早めの認知症対策ができる道を切り開くと期待されます。
医師がスピーディーで的確な見込み判断をすることで、精神疾患患者を救う人工知能事例を1例紹介します。
精神病患者を危険行為から救う人工知能が、日本のIT会社とスペインの医療研究所の共同により開発されました。スペインの医療研究所で精神疾患専門医として20年以上の職務経歴のあるドクター数名は、このシステムを85パーセント以上の精度でリスク算出が可能との判断をしています。
使用したデータは、3万6千以上の精神病患者のデータと100万件以上の医学論文です。この2つのビッグデータを統合化して学習させることで、顕在化していないけれど可能性のあるリスキーな行為や他の症状を提示します。
例えば、命にかかわる自傷行為やアルコール依存症状といったリスクです。この情報から医師は速やかな判断と対処ができることになります。
データ量があればあるほどパターニング分析が正確になる人工知能の可能性は無限大です。利用することで患者と医師の支援力は増し様ざまな負担を軽減することができます。今までの医療用人工治療の事例を参考にして、医療界の未解決課題の解決につなげたいものです。