医師は英語を話せると思われてしまいがちですが、人によって異なるというのが実情ですよね。今回は、医師のキャリアアップのために英語力は必要なのか、どのように鍛えていけば良いのか解説します。あなたの周りの英語が堪能な医師も、実は陰で努力を積み重ねてきたのかもしれません。
医師としてキャリアを築く上では、英語力が必要という人もいれば、必要ないという人もいます。
例えば、臨床で外国人の患者がいたとしても、片言の英語で対応に当たるとトラブルになるリスクもあります。こうしたトラブルを回避するため、多少英語を話せてもあえて話さないという医師もいるのです。日本国内で臨床を続けていく上で、現場での仕事のことだけを考えるとそれほど英語は必要にならないことも多いかもしれません。
しかし、医師として外国人患者の対応に当たることができるように、英語は身につけておくべきだという考え方もあります。語学面でのスキルが、キャリアアップにおいて貢献する可能性もあるでしょう。
また、学会で発表・質疑を行うために、医師にも英語が必要だと考える人もいます。実際、国際学会に参加する機会がある医師も多いと思いますが、そうしたときには自分の英語力に自信を持って積極的にディスカッションを行っていきたいところです。
医師は偏差値の高い大学や学部を卒業し、難しい国家試験を通過しています。頭脳明晰な医師の方は、「英語くらい喋れるのだろう」というイメージを持っている方も多いですが、実際に英語のスキルには人によって開きがあります。
医学部の受験でも英語の成績はある水準を超えていなければならないため、もちろん文法やボキャブラリー、読解力といった点では自信がある人も多いです。ただし、英語を喋ることになると別問題であり、スピーキングの能力には開きがあるのです。
医師の中には英語が話せない人も多く、学会での発表や質疑にストレスを感じている人も多いです。留学経験のある医師や、頻繁に学会で発表を行う機会のある医師など、一部の医師は問題なく英語を話すことができるでしょう。ただ、中には言葉の壁にストレスを感じている医師も少なくありません。
学会の口述発表や講演などを英語で聞いていても、専門知識とスライドがあればある程度の内容を把握することは可能でしょう。ただ、自分が発表する立場になったときは、発表自体は原稿や練習に基づきスムーズに行うことができたとしても、ディスカッションでの対応に不安を感じる方も多いです。
帰国子女など特殊な環境で育った人でない限り、多くの医師は誰しも英語をうまく話せない時期があったことでしょう。やはり英語を話せるようになるためにはトレーニングが必要で、自分の思考を言葉にしてアウトプットする機会が大切なのです。
身近な医師の中に英語がペラペラな方がいたとしても、一朝一夕で語学力が身についたわけではなく、陰で努力をしてきたはずです。研究や臨床で使う表現は意外と限られているので、そうしたボキャブラリーだけでも自分のものにしてしまうとコミュニケーションがスムーズになります。
私自身も留学前には、自身の研究や臨床について表現することができるようにトレーニングを行いました。日常会話は内容が多岐に渡るため、理解できずに歯がゆい思いをすることもありましたが、少なくとも臨床と研究においては困らずに過ごすことができました。自分で表現のパターンを増やしていき、あとはアウトプットする機会を作ることがポイントといえるでしょう。
医師の英語力がアップすると、学会発表でのディスカッションが活発になったり、海外の情報収集スキルが高まります。キャリアのためには早めに身につけておいて損はないでしょう。将来的に学会で座長を務めたり、海外からのゲストをもてなす際にも英語力は生きてきます。キャリアアップのために英語のトレーニングを始めてみてはいかがでしょうか。