SNSが普及してかなりの時間が経ちました。クローズドなプラットフォームから生まれたSNSというサービスは、今や世界中で"生活・日常に溶け込んでいる"ものです。多くの方が、いずれかのSNSサービスに登録をし、誰か、何かと繋がりながら情報の共有を楽しんでいます。
このようにSNSサービスが広がる中、熟成期でもある昨今ではSNSによる情報拡散が当たり前になってきました。そして、その波は既に医療業界にも及んでいるという事実を皆さまはご存じでしょうか。そこで、今回は医師、あるいは看護師など、医療従事者向けとして活用されているSNSについて、少しご紹介したいと思います。
医療従事者向けのSNSサービスは、国内外で活用されており、医療現場においてもかなり役立っているとする情報を聞くことができます。そこで、先ずは実際に人気のあるSNSを2つ、代表してご紹介したいと思います。
臨床の第一線で活躍をする医師の皆さまにお勧めしたいのが、このMedPeerです。リアルタイム、様々な情報が集積されているため、多様な目的に合わせて活用することができます。
メインサービスとなるのは、やはり遠方の医師たちに現場で発生した問題の相談、臨床データの相談など、個人で対処することが難しい諸所の問題に対して、数百人以上の登録メンバーからアドバイス、コメントをもらうことができるというものです。
医薬品に関する口コミや、添付文書に関する情報共有なども可能ですが、全国に設置された医療機関の実態情報(独自リサーチ結果等)が入手できるのも高ポイントです。また、転職情報をリサーチすることも可能ですので、SNSに強い医師の皆さまにはぜひご活用頂きたいサービスであると言えます。
スタートから1年で50万人以上の会員を集めたことで話題となったこのサービス、国内の医師にとってどのような価値があるのかと言いますと、それは「臨床現場における情報共有」や「討論が可能」なことでしょう。また、国内では入手することが難しい情報を、簡単に入手できるのも嬉しい点です。 英語が活用できる医師には、マストなサービスと言えるでしょう。
SNSを活用する医師が増加していますが、クローズドなサービスだとは言え、やはり医師である以上は利用に際し、情報リテラシーに関しては気を付けて頂きたい所です。一般的なSNS上では、プライバシーの侵害、守秘義務の厳守など、当たり前のような事が守られていないという現状があります。
医師向けSNSはクローズドだから問題ないだろうと、安易に個人情報を晒してしまうと、その後、流された情報がどのような経路で広まってしまうかは誰にもわかりません。そして、私たちが想定している以上に多くの方がサービスインしているため、「どこの誰が見ているのかは、個人では把握できない」のです。ネットワークを利用している以上は、ルール、モラルを遵守した上で活用頂ければと思います。
基本的に、医師向けSNSサービスの大半はセキュリティが非常に厳しく、内部の情報が安易に流出することは考えにくいものです。しかし、前述の通り、多数の人々が利用している以上は「SNS炎上」が発生してしまう可能性も考えながら、発言などを慎重に行う必要があるでしょう。
不用意な発言が、誰の目に触れ、どのように解釈されるかを、私たちが発信した段階で想像するのは難しいものです。情報収集に適したプラットフォームであるため活用性の高いものですが、くれぐれも気を付けて利用してください。
今回ご紹介したSNSサービスの他にも、国内の医療従事者向けSNSサービスは多数用意されています。地域性に特化したもの、あるいはツイッターやインスタグラムのようにシンプルなサービスを提供しているものもあります。ご自身の目的に応じて適切に取り扱って頂ければ、様々な場面で活用が可能ですので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |