昨今、一部において既に話題となっている所ですが、書籍「アルツハイマー病 真実と終焉」はご存じでしょうか。これは神経変性疾患の世界的権威として知られているデール・プレテゼン医師の著作であり、NYタイムズ等では発売間もなくベストセラー入りを果たしたものです。
では、この書籍が何故話題になっているのでしょうか。その答えは、同書の中に「認知症改善プラグラム及び臨床実績」が詳細に書かれているからです。
今、世界中で認知症治療へのアプローチが果敢にも研究されていますが、同医師は既に「認知症患者を回復させている」ということになります。
日本を含め、今後も世界中で認知症患者の数は膨らみ続けるものと考えられていますが、同医師の実績により、風向きは変わったと言ってもいいでしょう。では、気になるその内容について触れてみたいと思います。
書籍「アルツハイマー病 真実と終焉」によれば、既に500人を超える認知症患者たちが、同書籍に手紹介されているプログラム内容を実行したことにより、アルツハイマー病の症状が回復しているようです。この数字は、あくまでもプレゼテン医師が診てきた患者様であることを考えれば、潜在的に同プログラムを実行し、症状を回復させた方はもっと大きな数になるものと考えられます。
早期段階において、同プログラムを実行し始めた患者様の約9割において改善がみられ、実行するのであれば早期であればあるほど良いとプレテゼン医師は述べています。
プレデセン博士が開発したのはReCORD Protocol(リコード法)と呼ばれるもので、アルツハイマー病における原因が36に渡ることを突き止め、それらを改善するためのプログラムの総称です。36の原因に分けているとは言っても、患者様のタイプも状況に合わせ3タイプにわけ、各タイプに合致した対策法を続けていくというものです。
患者様が実践すべき内容は多岐に渡りますが、その内容を要約すれば「リーキーガット症候群を改善し、血液の状態を整えるなど、"改善すべき生活習慣"」と言うことができるでしょう。これは逆に考えれば、それだけ生活習慣と認知症とに因果関係があると考えることもできます。
また、このリコード法に関しては、既に国内においても同プログラムを習得し、認定医としてリコード法による治療を行っている医師の方もいらっしゃいます。また、プレテゼン医師が創立した「MPI Cognitionのサイト」に患者登録することにより、全国の認定医を探すことも可能です。
同書籍にまとめられている内容としては、認知症の中でもアルツハイマー病が対象となっています。レビー小体や血管性に関しての治療成績に関しては、まだ発表されるほどのものが現れていないのかもしれませんが、プラグラムの内容を見る限りでは「少なからず改善させることができるのではないか」と期待がもてます。
今後、世界中で認知症患者は数千万人に増えていくと考えられていますが、リコード法の出現により、風向きが変わることは間違いありません、また、これまでβアミロイド蛋白を標的に様々な治療法が研究されてきましたが、認知症という病の捉え方、そして治療の在り方が大きく変化していくかもしれません。
いずれにせよ、一部においては「治らないもの」と捉えられていたものが、このように実際に多数の人々が治っているという事実によって覆されていることに、大変強い驚きを覚えることができるでしょう。
今でも世界中で認知症の治療に関する研究が進められていますが、リコード法の出現によって、開発研究の方向性も大きく変わるのではないかと思われます。国内では、血管からのアプローチを目指して開発する団体もありますが、同内容ではそれらの問題も含め「36の原因を解消するためのプログラム」を提示しているため、更なるアプローチが求められるかもしれません。
このリコード法は、認知症大国と化す可能性のある日本においては、ぜひ知っておきたいプログラムと言えるでしょう。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |