医療業界における2025年問題の事を、皆さんはご存じでしょうか。これはそもそも超高齢化社会において、ある一つの目安を現した言葉です。
具体的には、団塊の世代となる方々が、2025年頃には後期高齢者になることで、社会保障費の急増が懸念されるというものです。ただ、医療業界においてはこのような社会保障費に関連する問題だけではなく、「患者数の圧倒的増加」を始めとする、多くの課題が提示されています。
そこで、今回は超高齢化社会が日本の医療業界にもたらす不安には、一体どのようなものがあるのか、その内容を少しご紹介してまいりたいと思います。
前述の通り、超高齢化社会において一番懸念されるのは「患者数の極端な増加」であり、この問題は医療ソースの枯渇とも繋がっています。医療に対するニーズが高まること自体は業界にとって痛手となる話ではありません。しかし、あまりにもそのバランスが崩れてしまえば、増え続けるニーズに対応することができなくなってしまいます。
特に、かねてより慢性的な医師不足、病床不足などが各地で問題として挙げられてきましたが、それらの問題に拍車をかけかねないのです。必要医師数を確保されている都市部の大型病院等ではまだ対応も可能かもしれませんが、各地域においてはそのような余裕がないとするエリアも決して少なくはありません。また、入院患者数の増加が続けば、必然的に病床数の不足もこれまで以上に目立ってくるでしょう。
その一方で、過疎地域等のリソース不足はより深刻化を増し、地域医療にも影響が出る恐れもあります。厚労省始め、これらの問題に対して一方的に手をこまねいているわけではないようですが、やはり不安な問題であることに違いはありません。
国を挙げての保険制度が破綻している米では、国民皆保険という訳にはいかず、任意の保険制度に各個人が加入しているという事実については、既に皆さんもご存じでしょう。
現在、日本はまだこの保健制度が機能をしているものの、増える税金、冷える経済等の影響がこのまま続くようであれば、膨らむ社会保障費、医療に投資できる資金の減少等により、現行の保険制度が破綻してしまう恐れも十分に孕んでいます。
保険制度がもしも破綻してしまった場合は、医療におけるニーズが高いにも関わらず、病院にかかることのできない患者数が著しく増加するでしょう。また、このような事態になってしまった場合には、日本各地の病院に経営危機が起こることも懸念されます。
日本の保険制度はまだしばらく続くでしょうが、日本経済の強い変化による影響を受けないとは言い切れません。この点については、十分に留意しておきたい所です。
国内では、お薬を始めとする一般的な医療が中心となって機能していますが、代替医療が強い国も増えてきています。特に欧州圏内では様々な代替医療が盛んであり、自然療法、ハーブなどを使った民間療法なども国民から広く支持されています。
このような代替医療分野は需要が高まり続けており、国内でもメディアにその名前が出ることも増えてきました。代替医療に関しては、国内の意見としてはまだ賛否両論といった印象ですが、今後の流れがどうなるかは分かりません。現在の医療が縮小するとは考えにくいのですが、国内で共存していく可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。
医療業界に限らず、国内では様々な業界において大きな変動が起きています。国内企業の脆弱化、外資系の流入が続く中、長い目で見てみると医療業界も何らかの形で再編されていく可能性があると言えるでしょう。
その時、1人でも多くの医療従事者の方が、何らかの形で新たな活躍の場をみつけられるよう、アンテナは広く張り巡らせておきたい所です。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |