近年、医師にとっての転職という行為には「キャリアチェンジ」という意味合いの要素が強くなっており、従来のキャリアアップを目指した転職という範囲に留まらない、新たな可能性を求めて転職を行う医師が増えていると聞きます。しかし、医師にとって転職が身近なものになると共に、"医師に転職を勧めるサービス"が市場に多く出回ってしまった、という事実があります。
本来であれば、転職は身近なものであり、自然に行うことができたはずのものでありますが、「様々な医師転職サービスが乱立してしまった」為に、以前にも増して定型的なフローができ、サービスを提供する企業によってそのクオリティが大きく変わってしまっているのです。
前置きが少し長くなってしまいましたが、医師転職を取り巻く環境において、今では医師が求人を探すために注意しなければいけないとされるポイントがあり、警鐘が鳴らされています。そこで、今回は医師が求人を探す際に注意しておきたい点について、ご紹介したいと思います
医師が転職に際し、求人情報を探すのは昔からの常でありますが、その方法に関しては「知人等からのコネツテ」や「医師転職サイト」の利用が圧倒的に多いという状況があります。また、いずれの方法をとられる際にもメリットやデメリットがあり、どの方法が一番良いと断言することは難しいでしょう。
その中で、現在特に気をつけなければいけないと話題になっているのが「転職サイトの利用に関するもの」です。医師が転職サイトを利用する中で、ブラック企業やブラック病院等に騙されてしまい、大変な事になってしまったというケースを見聞きすることも少なくありません。つまり、何も知らず、何も分からずの状態で医師が求人を探した場合、それだけで大きなリスクが伴うことになるのです。
では、具体的にどのようなリスクがあるのかをお伝えしたいのですが、先ず皆さんに知っておいて頂きたいのが「医師転職サイトに掲載されている求人情報が全て事実とは限らない」という内容です。
例えば、あるA病院が募集している求人情報をインターネット上で見られ、応募から採用に至ったとします。しかし、実際の採用段階では「求人情報と違う条件を言い渡され、この条件でなければ採用はできない」等と言われるケース等が実際に存在しているのです。
このようなケースは、全体数からみれば極めて稀なケースと言えるのかもしれません。ただ、医師にとって1度の転職がその後の将来を決めることにもなる以上、分かりうるリスクはできるだけ低減しておきたい所ですよね。また、医師はこのようなリスクを避ける為に「信頼できる企業を探し、そのような企業によって運営されているサイト」を通じて、転職情報を探す事が賢明と言えます。
インターネット上から手軽に求人情報を確認することができる世の中になりましたが、その安易な利便性に飲み込まれ、全ての掲載情報を鵜呑みにしてしまうと、どこかでフェイク情報にかかってしまう恐れがあります。このリスクを回避するためには、気になる応募先の医療機関に、応募の前後で「自分で見に行ってみること」をお勧めします。
実際に現場を訪れますと、現場の雰囲気、人間関係、仕事のやりやすさ、経営・運営方針などを肌で感じることができます。デジタル情報のみを信じず、実際に自分の目や耳で確認し、判断することが最も重要であると言えるでしょう。
安易に様々な情報を入手できる世の中になりましたが、その裏側では情報に操作されてしまい、望まない人生を送ることになってしまったという方も少なからずいらっしゃいます。そのような中で、私たちは情報リテラシーを高め、慎重に情報を取捨選択しなければいけない、そのような世の中になっている事を覚えておいた方がいいでしょう。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |