医師という仕事は、恵まれた環境にいなければ、ある程度の部分は体力仕事であるとも言えます。所属している診療科、医療機関等によって労働環境が大きく異なる事は皆さんもご存じでしょうが、当直夜勤やオンコール対応などが厳しい環境で勤めておられる場合には、どうしても心身に疲労を感じてしまいます。
また、疲労を感じた時にすぐ休めるような環境であれば問題はないのでしょうが、人手も足りず、休日を自由にとることが難しい環境で頑張っておられる方も決して少なくはありません。そこで皆さんに意識して頂きたいのが「体調管理」です。
皆さんも既にご自身の心身と向き合い、一定以上のレベルで自己の健康状態を管理されている事と思いますが、意外と「体力が低下してしまうような生活を営んでしまっている」方も少なくありません。そこで、今回は極度の疲れ、慢性的な疲れを感じた時に疑っておきたい3つのポイントについて、ご紹介したいと思います。
私たちは日常的に、色々なものを食べて生活をしています。平均的には1日3食、ご家庭や仕事場、外などで食事を摂る事になるわけですが、近年、世界的に「食を見直すべきである」とする機運が高まっていることもあり、「食事や食材の品質」について言及される機会が増えてきています。
国内においては科学的根拠に乏しいとされる事の多い食の問題ですが、グルテン不耐症やリーキーガット症候群の発見を始め、食を通じて健康状態が左右されているという事実は、徐々にではありますが、明らかにされつつあります。そういった中で、現代人ができれば避けた方が良い食品としては、以下のようなものが挙げられています・
【精製された穀物類、小麦(古代小麦を除く)、精白糖(グラニュー糖、三温糖)、薬剤抽出を行った油脂類、化学的工程を経て作られた食品添加物類】
これらを摂取することによって、体内中のビタミンB群を始め、多くの栄養素が過剰に消費されることが分かってきています。つまり、疲れやすくなり、回復力が落ちる、と言うことですね。多忙な中で拘った食事をすることは難しいものと思われますが、農薬等が不使用の果物等を積極的に取り入れる等、健康的な食品を摂る機会を少しでも作り、体の調子を内側から整えていく事をお勧めします。
極度の疲労、慢性的な疲労が取れない場合には、何らかの要因によって「脳波の状態が不安定になっている、交感神経系の働きが過剰になっている」可能性が考えられます。その結果、睡眠の質が低下しているのかもしれません。特に、イライラしやすくなっている、集中力の乱れなどを体感されるようであれば、リラクゼーションを行う必要があるかもしれません。
このような場合には、アーシングと呼ばれる「土あるいは砂の上に裸足で立つ」方法や、アロマ等の香りを用いる方法が、脳波の乱れや神経系の昂りを押さえるのに適しています。また、都市部を離れ自然豊かな場所で時間を過ごしてみるというのも、お勧めです。
副腎疲労等の要因によって、ホルモンバランスが崩れてしまい、疲れが取れないように感じているという場合もあります。副腎疲労を起こす要因としては「リーキーガット症候群による腸粘膜付近の慢性炎症」や「覚醒作用のある物質の過剰摂取(カフェイン等)」が挙げられます。また、甲状腺や視床下部の働きが乱れている可能性も考えられます。
疲労を感じている時に疲労をごまかすような方法をとってしまうと、気付かない間に体が弱っていってしまうものです。特にホルモンバランスの乱れ等は日常生活において感じ取り難いため、なかなかピンときません。疑わしいような症状があれば、ホルモンバランスを整える作用のあるハーブなどを使用してみるのも、落ち着く為にはいいかもしれません。
忙しい日々を送っていると、気付かない間に思っている以上に体が蝕まれてしまうものです。多忙な生活に合わせて食生活なども乱れ、生活のリズムが崩れていってしまいます。もし、そのような日々が続いておられるのなら、転職を始め何らかの形で生活そのものを見直してみても、よいのかもしれません。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |