医師の皆さまにとって、ご自身の力だけでは気付きにくい問題の1つに「自身の事を客観視することが難しくなってしまう」というものがあります。全ての医師がこのような問題につまずいているわけではありませんし、その他の職業においても同様の事例は少なくありません。
ただ、医師などの一種社会的ステータスの高いお仕事をされている方の中には「知らない間にプライドが高くなりすぎてしまう方」などがおられるという事実があります。また、多くの場合にはこのような事実に「自分自身が陥っていると認識することは難しい」のも、1つの問題と言えるのかもしれません。
そこで、今回はベテラン医師が知らない間に落ちてしまう職業病の罠とも呼べるものについて、簡単にご紹介してみたいと思います。
職業を問わず、自尊心が過度に高まっておられる方、というのが昨今では増えてきているように思います。その原因は個々の状況によって異なるため、一概に何が原因になるという話をすることは難しいのですが、医師に関して言えば「一般的な仕事に就かれている方よりも、社会的な力を持っている」という事実に起因する、プライドの過度の高まりが一つの原因として考えられます。
もし、ご自身のプライドが過度に高まってしまっている(つい、高飛車な対応を行ってしまう等)と感じた場合には、「何故、自信が医師という仕事にこだわっているのか」ということを改めて見直してみるとよいでしょう。医師の仕事は多くの命を救うことのできる素晴らしい仕事です。自尊心が過度に高まっていた事に気付くことができれば、人間関係やコミュニケーション内容にも様々な変化が現れるでしょう、
医師の中には、医療業界から表に出ず、他業種の方との交流も疎遠などの理由により「一般常識に偏りがみられる」方がいらっしゃいます。
医療業界におけるイロハは全て理解しているものの、お持ちの感覚が一般的なものと外れてしまっている場合、本人の意識としてはあまり困ることがないかもしれませんが、どうしても周囲とのギャップが出来てしまい、良好な関係が築けるはずの他者ともうまくかみ合わないなど、損をしてしまうことがあります。
転職における面接等で「ビジネススタイルで統一せず、カジュアルなファッションで面接に臨んでしまう」方も、少なからずいらっしゃいます。もし、何か変な所があるのかもと感じるような事があれば、一度インターネットで調べてみる等、少し省みてみるのも良いかもしれません。
最初のポイントである、自尊心の過度な高まりと通じる所がある内容ではありますが、これもまた「出世していく中で、ベテラン医師、あるいは肩書をもった医師」がハマってしまう事があります。
どうしても、出世してしまうと「他者からの評価を得た自分」を意識してしまうため、なかなか自然な形で目下の方と接することができず、威圧的、高圧的に接してしまう場合があります。
このような状態に陥ってしまった場合には、改めて「自分が上司以外の周りから、どのような評価を得ているのか」を客観的に観察してみるのもお勧めです。もしかしたら、人との間に距離を感じてしまうかもしれません。
仕事をしていく中では、どうしても威厳を必要とする場合もありますが、必要以上に高圧的な態度をとってしまったり、相手の話を聞かずに自分の意思を貫いてしまう事は、後々マイナスとなるかもしれない、ということをあらかじめ留意しておいた方がいいでしょう。
医師に限らず、このような話はどのような職業においても少なからず発生しているものです。このような状況にハマってしまっている場合、周囲のみならず最終的にご本人自身が損をしてしまいますので、もしどこか引っかかるような部分があるようでしたら、これからは少し意識されてみてはいかがでしょうか。
![]() |
ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |