皆さんは医師専用のインスタグラムに近い機能を持つサービスでもある「Figure1」のことをご存じでしょうか。その知名度の高さから、国内でも何度か話題になったという経緯もあります。
インスタグラムと言えば、華やかな画像などがタイムライン上に溢れているような印象を受けますが、この医師向けインスタグラムとも称されるサービスでは、一体どのようなものが提供されており、使用者がどのような恩恵を受けられるのか、その内容について少しまとめてみたいと思います。
インスタグラムは所謂一般向けのサービスであり、ビジネスモデルとしても活用されている一方、その敷居はないようなものと言えます。しかし、この医師向けインスタグラムサービスであるFigure1は、あくまでも医療関係者向けのサービスとして提供されているという点に、先ずは注目したい所です。
サービスに接続すれば、流れてくる画像は病に関するものがたちまち並び、医療関係者でなければ少し驚いてしまうかもしれないようなものも決して少なくはありません。ただ、このサービスは実際に利用している多くのユーザーより絶大な支持を得ており、登録者は世界190か国を超え、その数200万人以上とされています。また、米国では医学生の7割もが同サービスに登録しているという事実も外せません。
Figure1の仕組みに関して、最大の特徴ともいえるのが「医療関係者以外は、書き込みを行うことができない」という点です。閲覧自体は医療関係者でなくても可能ですが、基本的には医療関係者の書き込み意外がタイムライン上を流れることはない、ということですね。
実際のタイムラインには、認証を受けているユーザー、つまり医療関係者が自身の臨床事例等を投稿し、アドバイスを求めるといったものが流れています。その投稿に対して、他のユーザーが回答するため、タイムライン上でユーザー同士の議論が繰り広げられることも少なくはありません。ただ、このような状況下において様々な症例が集まっているという事実こそが、同サービスの利便性を高めていることは間違いないでしょう。
前述のように、世界中から症例が集まる同アプリを、単なる画像共有を行うアプリと位置付けることは難しいでしょう。それだけの貴重な症例が集まるということは、即ち医療に関するデータベースとしても機能するということです。非常に珍しい症例を身近で感じることができ、また、行われる議論から新たな知識を得ることが可能です。
このような性質を持つアプリだからこそ、医学生の登録者数が多いというのもうなずける話です。また、ベテランの医師であったとしても、珍しい症例に合えば正確な診断を下すことは難しいものです。そのような時に、この医療データベースと化したFigure1を活用することによって、難局を乗り越える為の知恵を得ることができるのです。
続いてFigure1の魅力と言えるのが、投稿時における世界からのフィードバック情報です。今や、アイデアや情報は様々な所から得ることができるようになっているため、今ではその情報の信頼性や速度、質の高さが求められるようになってきました。
その点、世界中の医療関係者よりアドバイスを得ることができるこのサービスは非常に画期的であり、インスタグラムに近いユーザインターフェースからは圧倒的な速度で、欲しい情報を得ることが可能となっています。
このアプリを活用する医師からは「同アプリによってセカントオピニオンを集めることで、正確な診断を行うことができた」とする声も上がっています。医療格差が強い日本ですが、このようなサービスを用いることによって、今後は物理的な壁を超えていくことが可能となるのかもしれません。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |