医師としての歩みを進める中で、色々な生き方を個々が選択していく事になりますが、「命を扱う仕事」である為、医師には「人を救う役割」が求められます。その中で、あくまでも仕事、ビジネスとして淡々と仕事をこなす医師もいれば、多くの人の為に役立ちたいとし、良医を目指す方もおられます。
社会的な構造の変化に伴い、患者様やそのご家族の方から心ないクレームをつけられてしまうことも増え、現場では見えない部分での精神的な負担も増えていますが、このような中で「良医」と呼ばれる存在を目指す医師も沢山いらっしゃいます。肩書ではなく、あくあでも「良い医師」という表現に留まりますが、それでも「良医」を求める患者様、そして医療機関は増えています。
そこで、今回は良医とはどのようなものか。そして、どのようにすれば良医と呼ばれる存在に近づくことができるのか。それらを少し探ってみましたので、ご紹介いたします。
良医とは、素晴らしい医師に贈られる一つの賛辞、表現と捉えることができますが、その言葉が表す本質は「信頼できる医師」という意味ではないかと思われます。
良医という表現に関して、様々な医師、あるいは医療機関、または違う企業や組織体がその見解を述べているところですが、一致している点としては「患者様からの信頼に足る医師」という像がみえてきます。
良医と呼ばれる医師がどの程度存在するのか、その数が公表されることはありませんが、良医と呼ばれる人たちをまとめた情報等はサイト上で確認することも可能ですので、また気になれば一度ご確認ください。
では、具体的にどのような人物であれば良医と呼ばれるのか、その内容についても迫ってみました。様々な見解があるため、これらの条件をクリアすれば良医と呼ばれる、と断言することはできませんが、皆さんがより良い医師を目指す上での、一つの指針や参考にしていただければと思います。
1. 患者様の心に寄り添うことができる、心を動かすコミュニケーションが可能である
2. 具体的な結果にコミットする為の技術・知的スキルを有している
3. 「病」と向き合うのではなく、「患者様」と向き合うことができる
4. 「対処療法のみを行う」のではなく、「根本治療・生活指導」も行うことができる
5. 相手の話をよく聞き、本質的な悩みを拾うことができる
これらはあくまでも一例であり、これらの条件が良医であることを証明するための条件にはなり得ません。様々な要素が考えられますが、詰まる所は「患者様にとって信頼できる医師か」というポイントをクリアすることができ、かつ、「具体的な結果を示すことができる」ことが重要でしょう。
前述のような内容は、既に「良医と呼ばれている人物」あるいは「良医とはどういう医師を指すのか」を標榜する様々なクリニックなどで、実際に医師の教育や指導のために掲げられています。
ただ、良医とは「決して体系的なものではない」のは確かであり、それは個人個人の人間性に起因するところが大きいものと考えられます。つまり、このようにすれば良医になれる、というメソッドのようなものは通用しないと言うことです。
もちろん、ある程度の条件を満たすことによって良医と評価されることは可能でしょう。しかし、ただ良医と評価されるだけで、果たして良いのでしょうか。良医を目指すということは、ある意味において「人格者である必要性」が出てきます。これは、やはり条件云々ではなく"医師としての姿勢、在り方"がベースとなるということです。
良医と呼ばれるような人物に近づく事が何らかの成功に繋がるとは言えませんが、少なくとも「命を救う医師として優れた能力を有している」という評価に繋がるでしょう。
どのような医師を目指したいのかという"理想的な医師像"は時代の流れと共に移り変わる部分もあれば、普遍となる部分もあるでしょう。良医を目指すことが何かをもたらすとは限りませんが、もし皆さまが患者様にとって"良い医師"を目指されるのであれば、何かの参考にして頂ければと思います。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |