サプリメントに関して言えば、日本は欧米諸国等と比較しても後進国と言える状況です。しかし、それでもここ5年から10年ほどの時を経て、日本におけるサプリメント市場の規模が着実に拡大しているのは確かだと言えます。しかし、国内ではサプリメントを使用する人、使用しない人にわかれているのが現状です。
何故そうなのかと言えば、恐らくはサプリメントというものに対する不信感、あるいは効果を感じないとするユーザー層が一定数いることに起因するのではないでしょうか。そこで、今回はサプリメントとはどういうものか、医師から見て治療の一環になるものがあるのか、少しお話をしたいと思います。
いわゆる健康補助食品と評されるもので、特定保健食品や医薬品とは違います。分類としては通常の食品に分類されます。そのため、薬機法で定められている通り「特定の疾病に関する文言などを含め、効果効能を謳うことはできない」ものです。
そのため、商品パッケージにはよく"スッキリする"等のオブラートに表現されたキャッチコピーがつけられているのは、恐らく皆さんもこれまでにみられた事があるのではないでしょうか。日本ではそれほど大きく騒がれる機会のないサプリメントですが、それは基本的に"サプリメントは大した効果をもたらさない"とするイメージがどことなく先行しているから、ではないかと思います。
しかし、中には"エイズが陰性になった"とするものや"動脈硬化の状態を改善した"という結果を公表しているようなメーカー様もおられます。ただ、既に市場規模が大きくなっている現状では、玉石混合のものが販売されているというのが事実であり、それを一消費者が見極めることは困難と言えます。
最近では、医療機関にでしか取り扱いを許可しないサプリメント製造メーカー等も出てきており、様々な病院においてサンプルや資料などをご覧になられた事がある方も増えているものと思います。また、傾向としてはこのような"サプリメント"と呼ばれるものを取り入れる医療機関も実際に増えており、医療機関で購入される患者様も増えていると聞きます。
確かに、同じサプリメントと呼ばれるものでも、食品店のような所で購入するのと、医師が推薦するようなものを購入するのとでは、印象そのものが違うわけですから、消費者としては"キチンとしたものを医療機関で購入したい"と考える方が多くても不思議ではありませんよね。こういった市場動向を背景に、導入に踏み切る医療機関・クリニック等が増えているのではないかと思われます。
サプリメントの質を見極めることは、取り扱う上でとても重要な要素です。というのも、やはり安価で粗悪な原料を投入しているメーカーも多数ある中で、そういったものを取り入れてしまうと、治療する側にとっても弊害となりかねません。そのため、もし導入を検討するのであれば、一定の基準を設けて質の良し悪しを見極めることが重要です。
これに関しては、幾つかのポイントがあるのでお伝えします。
1.合成材料を使用していない、あるいは極力使用を控えている
2.天然と謳う原料の出所が明記されている。あるいは開示されている
3.天然原料の場合、原料そのものが無農薬あるいは有機栽培によって作られたものである
4.不自然な添加物とみられるものがない、あるいは少ない
以上は、サプリメントの質の良し悪しを検討する上で、非常に重要なファクターと言えます。原料は素材が濃縮されたものですので、元の原料の品質が悪い場合は、やはり芳しくない成分が増えてしまいますので、例え多少良い成分が入っていたとしても、総合的にはグレードが低下すると言えます。また、海外ではサプリメントもオーガニック認証をとっているものの方が良いとされる時代ですから、やはり重視する必要があるのです。
いかがでしたでしょうか。サプリメントは質にさえ拘れば、海外の医療機関で大きな成果を出しているものも多く、有用性が高いことは間違いありません。これからの時代、サプリメントの服用などは益々増えてくるでしょう。その時、どのようにして製品の質を見抜けばいいのか等、少しでも参考になればと思います。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |