時代の流れと共に、医師の働き方も少しずつ変化を見せ始めているのかもしれません。近年では、医局を早期に離脱し、新たな可能性を模索する医師の存在も増えています。医局である程度続けることができなければ、医師としてのいわゆる"キャリア"を積むことは一般的に難しいと考えられていますが、"医局という威光"が良くも悪くも、響かない方が増えているのかもしれません。
そこで、医局を離脱するにあたり医師が始めにぶつかる問題となるのが転職という壁です。これまで、長い時間をかけて医師になった方々が、医局を離れて違う場所で活動を行うにあたって、最初にクリアしなければいけないのが転職活動というわけですが、ここはやはり経験がないと不安になってしまうことも多いと聞きます。そこで、今回は未経験の医師でもどのようにすればいいのかがシンプルに分かる内容を、お伝えしたいと思います。
転職を結果的に成功させられるかどうか、そのカギを握るのは面接等ではありません。初期段階における情報収集がカギを握っています。というのも、転職するにあたって必要となるのは「どのような受け入れ先(転職先)があるか」、「転職市場から見る自己価値」といった情報でしょう。
とりわけ、先ずは転職に関する自身の希望を明確にし、どのような転職先があるのかを知ることが重要です。その際、転職市場から見た自己価値を知る事もとても大切です。これは何故かと言えば、不当な金額での雇用を防ぎ、正当な対価を受けるためのいわば"自己防衛に必要な情報"と言えます。
転職は、1度行ってしまえば直ぐに再度というわけにはいきません。諸外国では転職回数が多い方が有利だと言われることもありますが、国内では転職回数が多いほど"何か問題があるのではないか"と疑われてしまうのです。そのため、1度の転職に失敗すると、その失敗が尾を引いてしまう可能性があるため、リスクを低減しながらも、できるだけ理想に近い転職先を探すことが重要なのです。そのためには、"情報"が必須と言えます。
では、前述の情報を含め、転職未経験の医師はどのようにして活動を行えばいいのでしょうか。その答えはそれぞれありますが、1つの結論から言えば「転職サイト・転職コンサルタント」を利用するといった方法がお勧めです。もちろん、利用すると言ってもそのようなサービスを用いて転職した方がいいよという話ではありません。 ただ、このようなサービスの中には医師を専門とした企業も多く、独自のノウハウを持っているのです。
何が言いたいのかといいますと、つまりは「医師を専門とした転職サービス」を提供しているところに話を聞きに行けばいいのです。もちろん、人によってはそこでそのまま良いように転職先を斡旋されることもあるでしょう。ただ、しっかりと自身の希望を明確に伝え、コンサルタント・エージェントと話を続けることで、多くの情報を引き出すことが可能です。
どのようなラインの所が狙えるのか、自身の働き方に適した転職先の有無、現在の転職市場動向など、そういった情報の大半を専門の企業は大抵もっています。また、独自のパイプを利用して一般に公開されていない求人に応募することもできます。上手に関係を築くことができれば、この上ない味方となることは間違いありません。
面接では、身だしなみ(特に清潔感)を意識し、髪形、持ち物、服装(スーツorオフィスカジュアル)をキッチリと整えて臨むようにしたい所です。実際には実績・スキルがもちろん重視されますが、近年は人柄を重視する傾向もあるため、明るくハッキリとした口調で受け答えをすること、将来的なビジョンや自身のウリなどを明確化しておき、すぐに回答可能な状態にしておくことがポイントです。
未経験の医師にとって、初めての転職活動はそれぞれに合わせた形で展開されることは間違いありません。知人のツテや医療機関のツテで転職が決まる事もあるでしょう。どのような方法がベストかは分かりかねますが、確認する事は事前に入念に確認する、という簡単な習慣が転職を成功させるためのポイントですので、ぜひ意識して頂ければと思います。
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ZY 検査技師として医療機関に勤務。代替医療、食事療法を中心に学んだ経験を活かし、健康をテーマにした内容を広めるべく様々な活動を行っています。食、医療に関しての関心が強く、ライターとして活躍させて頂いております。 |